
その日私はいつも通り、就労移行支援施設「リンクス川越事業所」で訓練として繰り広げられている、ボードゲームの様子を見守っていた。
時折聞こえる歓声やため息に交じり、「日米戦」という単語が耳につく。また、戦争でも起こったのだろうか。よく聞いているとバット、ランナーという単語が飛び交っている様子だった。これは、今話題の野球というやつかもしれない。

ディスプレイ広場に行くと、リンクスの住人たちが群がっている。異様な盛り上がりだ。野球の世界一を決める大会で、日本チームが優勝したらしい。決勝戦の相手はアメリカだったそうだ。
私も覚えずこみあげてくる感情があるのを感じた。私は人類社会からは局外者だと思っていたが、長居し過ぎたのかもしれない。私は、このまま人間に飲み込まれる不安を感じた。

ー活動報告:最近のリンクスー
月に一度は、大掃除ということで、皆でにぎやかに掃除をしている。

椅子の背もたれを取って洗濯。長年の積もり積もったほこりや汚れが取れていくのは見ていても快いものがある。
21日は祝日ということで、就労移行・B型のメンバーさんでレクがあった。先週のうちにメンバーさんたちが話し合いでやることを決めた。

司会や書記もメンバーさんが担当する。話しをまとめるのは骨が折れることではあるが、人間社会でコミュニケーションや意思決定は避けられない。
安心できる場所でサポートを受けながら練習できるのは貴重な機会だ。

どんな職場でも身に付けておいて損はないソーシャルスキルと言えるかもしれない。
これらの取り組みの成果だろうか、最近数名の方が企業の内定をもらったそうだ。さみしくなるが、喜ぶべきことだ。
リンクスは、多機能型の事業所だ。就労のサポートもすれば、働く場所として、仕事や作業を提供もしている。

「ボタニカル缶バッジ」も、最早定番商品といえるかもしれない。

ひとつひとつ手作り。花壇に咲いた花を収穫するところから、すべて手作業だ。ここまで手の込んでいるものを探すのはなかなか難しのではないだろうか。
以上
報告者:L・K・フロッグ
報告者:L・K・フロッグ
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